回復局面
自動車を中心とする多用途に用いられる化学品の研究開発・製造・販売を展開しているMORESCOの業績推移が回復局面を迎えつつある。2023年2月期においては、期初からの原材料価格の高騰などを受けて、損益が大幅に悪化することが明らかになっているものの、2024年2月期に向けては損益が回復していく見込であることも明らかになっている。背景として挙げられているのは、経営環境の改善である。即ち、原油価格(米ドル建て)の高騰及び円安の進行に伴い国産ナフサ価格も高騰してきたのだが、ここにきて国産ナフサ価格の動向に落ち着きが認められるに至っているとのことである。ナフサ(粗製ガソリン)は、石油化学製品の基礎原料とされており、国産ナフサ価格の動向は同社が仕入れる原材料の価格に大きな影響を及ぼしている。現状に至る経緯においては、継続的な原材料価格の高騰に伴い製品価格是正も継続的に実施されてきたものの、前者の発生から後者の発生に向けてはそもそも一定のタイムラグが必要なことなどから、製品価格是正の効果が同社としての損益を維持するまでには及ばなかったとされている。ただし、今後に向けては、製品価格是正の効果が次第に拡大していく方向性にあることが示唆されている。同社は、2024年2月期に対して、売上高34,500百万円(前年比13.1%増)、営業利益1,400百万円(180.0%増)、営業利益率4.1%(2.4%ポイント上昇)を見込んでいる。